ストーマ装具がうまく貼りつかずにずれてしまうと、洋服が汚れたり、外出をためらったりと、日常生活に支障が出ることがあります。「また剥がれたらどうしよう」と不安やストレスを感じている人もいるでしょう。十分に密着しない原因はさまざまで、肌の状態や貼り方などに問題がある場合もあります。本記事では、ストーマ装具がずれやすくなる原因と対策を紹介します。
ストーマ装具が剥がれる主な原因
ストーマ装具が剥がれる要因には、以下のようなものが考えられるでしょう。
水分を拭き残している
装具を交換する際に肌を洗った後、水分を十分に拭き取らないまま装着すると、接着面が肌にうまくなじみません。わずかな湿り気でも接着せず、時間が経つと浮いたりずれたりする可能性があります。特に、汗ばみやすい季節や入浴後は肌に水分が付着したままになるため、注意が必要です。
皮膚トラブルがある
ストーマのまわりの肌に赤みやかゆみ、ジュクジュクした液体が見られると、ストーマ装具の面板がうまく接着できず、剥がれやずれの原因となります。皮膚の状態が悪化すると、装具がしっかり密着できなくなるでしょう。
さらに、傷ついた皮膚から分泌物が増えると面板がしっかり貼りつかず、日常生活にも支障が出ることがあります。
シワやくぼみがあり密着していない
肌の表面にシワが寄っていたり、へこみがあったりすると、面板と肌にすき間ができます。
このような凹凸があるとしっかりくっつかず、装具がずれたり浮き上がったりするトラブルが起こりがちです。特にストーマ周辺にたるみが見られる際は、安定しにくくなります。
面板とストーマが合っていない
ストーマのサイズや形に合わない面板を使うと、装着面にすき間ができ、ずれの原因になります。例えば、ストーマよりも穴が大きい面板を使うと、便が皮膚との間に漏れ出し、接着力が落ちてしまいます。
特にコロストミー(大腸ストーマ)は、排便時にストーマが一時的に膨らみ、便が面板の下に潜り込む可能性があるため、注意が必要です。
動作によるずれが生じている
立ったりしゃがんだり、歩いたりして身体を動かすと、肌と面板に少しずつすき間ができ、装具がずれる場合があります。特にお腹の周囲を曲げ伸ばしすると、面板が肌にぴったりとくっつきにくいでしょう。
さらに、身体を動かしたときに装具が服とこすれて、面板の端がめくれたり浮いたりした結果、接着力が弱まりずれの原因になります。
便の重さにより剥がれてしまう
便がたまり、その重さで面板に負担がかかることが、ストーマ装具が剥がれる原因のひとつです。特に、便が多いときは面板の接着部位に圧力がかかり、ずれが生じやすくなります。
また、便の重みで装具が引っ張られ、装着部位にすき間ができると、便が漏れるだけではなく、便によって皮膚がかぶれやすくなります。
ストーマ装具を剥がれにくくするポイント
装具を安定して使うには、接着する際のちょっとした工夫や、肌にしっかり密着させることが大切です。基本的なポイントを理解して、装具が剥がれにくい状態を保つように心がけましょう。
面板はストーマにぴったり合うようにする
面板は、ストーマのサイズに合った孔を開けるのが基本です。特にコロストミーの場合は、排便時にストーマが膨らむため、2〜3mmほど余裕をもってカットする必要があります。
また、ストーマは術後の経過や体調に応じて大きさが変化しやすいものです。フリーカットの面板を使う際は、交換するときにストーマのサイズを測定し、孔を調整しましょう。サイズが合わないと、すき間から便が流出し、面板の固定が不安定になります。
洗浄した後しっかり水分を拭き取る
ストーマ周囲を洗った後、清潔なタオルやティッシュなどで優しくしっかりと拭き取ることが大切です。
また、洗浄清拭剤に含まれる保湿成分の影響で、肌表面が滑りやすくなる場合があります。肌が十分に乾いているのを確かめてから装着すると、装具が剥がれにくくなるでしょう。
粉状の皮膚保護剤を使用する
肌のトラブルがあるときは、皮膚保護剤を薄く振りかけると面板がくっつきやすくなります。これは、パウダーが肌の水分や皮脂を吸い取って、貼りつきを助けるからです。
ただし、使いすぎるとうまく貼りつかなくなるため、振りかけた後は余分な粉を払い落としてください。適量を使うことで、しっかりと装着できるでしょう。
「アダプトストーマパウダー」は、ストーマ周囲の肌を守る粉状の皮膚保護剤です。肌の炎症を起こしているところにもなじみやすく、面板の安定をサポートします。

面板と皮膚にすき間ができないように貼る
面板を貼りつける際に、背筋を伸ばした姿勢でなければ、腹部にシワが寄り、面板と肌にすき間が生じやすくなります。接着力が不十分で、ずれの要因となるでしょう。
鏡を使って位置を調整しながら、手のひらで肌の表面を軽く伸ばしつつ接着させると、剥がれにくくなります。
「アダプトセラシール」は、排泄物や分泌物を吸着し、ストーマまわりの肌を守ります。手で簡単に成形でき、シワやへこみに合わせて厚みや範囲を調整できるのが特徴です。


ストーマのまわりを密着させる
面板を装着した後、ストーマ周辺を優しく押さえてしっかりと接着させます。中心部から外側へ、空気を押し出すように順に手のひらで押さえていくと、全体が均等に接着します。
このとき、面板全体が正しく貼りついているかチェックしましょう。
面板を貼った後なじませる
面板を貼った後は、定着性を高めるために手のひらで全体を押さえて、1分ほどなじませます。可能であれば5分ほど優しく圧をかけて肌になじませると、接着力が増すでしょう。
ただし、力を入れすぎて圧をかけると血流の妨げになったり体調に影響したりする恐れもあるため、優しく包み込むようなイメージで行うのがポイントです。
ストーマ装具が剥がれないための注意点
ストーマ装具をしっかりつけたまま過ごすには、普段のお手入れや生活に合わせた工夫が欠かせません。以下に注意点を説明します。
ストーマ装具は適切に保管する
保管時の注意点は以下の通りです。
- 使用期限内に使う
- 15~25度の室温で保管する
- 高温多湿や低温乾燥は避ける
- 圧力がかかると変形のもとになるため、平らな場所で保管する
夏は接着剤が柔らかくなりやすく、冬は面板が硬くなりやすいため、季節に合わせて保管環境を調整することが重要です。
夏は汗をかきやすいため早めに交換する
夏は暑く、汗をかきやすい時期です。ストーマのまわりに汗がたまると、接着した部位が湿り、面板の定着が弱くなります。
気温や動く量に合わせて、いつもより少し早めに交換するのが安心です。外出時には替えの装具やタオルなどを持ち歩いておくと、急なトラブルにも落ち着いて対応できます。
冬は面板を温めてから貼りつける
冬は、面板が冷えて硬くなりやすいため、肌に接着しにくくなります。装着前に手のひらで軽く挟み、人肌で温めると、肌になじみやすくなります。
ドライヤーなど高温器具の使用は、接着部位が劣化するおそれがあるため避けてください。
外出時のトラブルに備える
外出中は予想外のトラブルが起こる可能性があります。万一に備え、準備を整えておきましょう。必要な持ち物やトイレの場所などをあらかじめチェックしておくと、慌てずに対応できます。
オストメイト対応のトイレの場所を確認しておく
外出先で急に装具の交換が必要になる可能性もあります。オストメイト対応のトイレを選ぶと、洗浄できるシャワーや作業スペースが整っているため安心です。あらかじめ、外出先の施設や周辺にあるオストメイト対応のトイレの位置を把握しておきましょう。
全国の設置場所を調べられる「オストメイトJP」が便利です。
外出時の持ち物をチェックしておく
外出時は、トラブルに備えて持ち物をチェックしておきましょう。必要なアイテムは以下の通りです。
- 交換用のパウチ・面板
- 皮膚保護剤や装着補助用品
- ウェットティッシュ・清潔なガーゼ
- 汚物用の密閉袋
- 予備の下着や着替え
これらをまとめておくと、急なアクシデントがあっても安心です。バッグの中で見つけやすいように収納方法も工夫しましょう。
まとめ
ストーマ装具がずれる要因は、肌の凹凸や接着の方法、汗、便の重さなどさまざまです。肌にしっかりとつくように工夫し、日常生活の不安を軽減しましょう。
さらに、外出時の備えや季節に応じた対策も重要です。装着が剥がれないか不安がある際には、皮膚保護剤や補助アイテムの活用も検討してみてください。
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