ストーマとともに生活していくにあたり知っておきたい用語やストーマ装具の種類、取り
扱い方について説明します。
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ストーマ周囲の呼び方
ストーマ周囲の呼び方は、ストーマに近い方から、ストーマ近接部、面板貼付部、面板貼付部その外周と呼びます。
[ストーマ近接部]ストーマから幅1cm以内の部分
[面板貼付部]面板の皮膚保護剤が皮膚に接触している範囲
[面板貼付部その外周]医療用テープ、ベルト、ストーマ袋などが皮膚接触している範
囲を指します。
ストーマ何時方向
ストーマ周囲の腹壁の状況や皮膚のトラブルなど、状態が変化している個所を示すのに、時計の短針の読み方を活用します。自身から見た場合の表現として、ストーマ真上は0時、左横は3時、右横は9時、真下は6時と表現します。

ストーマ装具の種類
ストーマ装具の種類は、面板と袋(パウチ)が合体した単品系(ワンピース型)と面板と袋が分かれた二品系(ツーピース型)に大別されます。
単品系・ワンピース
皮膚に貼り付け固定する面板(皮膚保護剤)と排泄物を溜めるストーマ袋(パウチ)が一体になっています。装具を貼るだけで簡単に装着できます。
二品系・ツーピース
皮膚に貼り付け固定する面板(皮膚保護剤)と排泄物を溜めるストーマ袋(パウチ)を、組み合わせて使用します。組み合わせる部分(嵌合部)のことをフランジと呼びます。面板の貼り付けがしやすく、面板とストーマ袋が分離しているので、ストーマ袋だけを交換することができます。

ストーマ袋( パウチ)の排出口
ストーマ袋(パウチ)には、消化器系と尿路系があります。消化器系は便の状態などにより排出口が選択できます。
消化器系ストーマ袋の排出口
消化器系のストーマ袋(パウチ)の排出口には大きく分けて3種類あります。
(1)開放型:排出口を巻き上げて止めます。固形~泥状の便の性状の方に適しています。
(2)閉鎖型:排出口がないので、便が溜まったらストーマ袋(パウチ)自体を交換するタイプです。固形便の方に向いています。
(3)キャップ式:排出口がキャップ状になっており、大型のバッグに接続が可能です。水様便の方に適しています。

尿路系ストーマ袋の排出口
尿路系のストーマ袋(パウチ)の排出口は2つあります。
(1)排出口にあるタップを回転して開閉するタイプ
(2)キャップを差し込むタイプ

面板
面板はストーマ袋(パウチ)を腹壁に固定するだけでなく、ストーマ近接部としっかり密着していることで、排泄物の漏れを防ぎます。腹壁、ストーマの状態によって使用する面板の形状が異なるので、専門の医療従事者に適切なものを選んでもらいましょう。
形状( 1 ) 平面
「平面」の面板は、腹壁よりもストーマの方が高い位置にあり、ストーマ周囲に深いシワやくぼみがない方に適しています。
形状( 2 ) 凸面
「凸面」の面板は、腹壁とストーマの高さにあまり差がなく、ストーマ周囲の皮膚にシワ、くぼみがある方に向いています。軟性凸面は柔軟性が高いので、腹壁にマイルドな圧をかけます。硬性凸面は硬さがあるので、しっかり腹壁に圧をかけ補正します。

面板の構造
面板は、ストーマ周囲の粘着に皮膚保護剤という排泄物や分泌物から皮膚を保護する素材で作られています。皮膚保護剤は、腹壁や排泄物の状態によって耐久性を選べます。短期、中期、長期交換のものから選べます。
構造の種類は、外縁部にテープがあらかじめついているテープ付きタイプと、全面が皮膚保護剤のタイプがあります。テープ付きタイプは外側からめくれにくく、密着感を感じられます。

排出方法
排泄物はストーマ袋(パウチ)の1/3くらいまで溜まったら、排出しましょう。外出先ではオストメイト対応のトイレや洋式トイレなどで排泄がしやすいです。
開放型の排出方法
排泄物の飛び散りを防ぐため、便器の中にトイレットペーパーを置きます(①)。
開放型の場合は、排出口を排出する場所に向け、排出口を開き便を押し出すようにして排出します(②)。排出口の部分に便が残らないようにするため、排出口の先端をトイレットペーパーなどできれいに拭きます(③)。さらに、臭いや汚れがつくのを防ぐため、「消臭潤滑剤」をストーマ袋(パウチ)に注ぎ足しましょう(④)。排出口を閉鎖し(⑤)、「消臭潤滑剤」をストーマ袋になじませます(⑥)。
ポイント
消臭潤滑剤は、便と一緒に排出されてしまうので、排出のたびに注ぎ足すことが重要です。
消臭潤滑剤を入れたら、フィルター部につかないように、ストーマ袋(パウチ)全体によくなじませましょう。

キャップ式の排出方法
排泄物の飛び散りを防ぐため、便器の中にトイレットペーパーを置きます(①)。
尿路または水様便用のコック式やキャップ式の排出口の場合、排出口を上に向けて(②)キャップを開け(③)、下に向け排出します(④)。排出口の部分の水分などは拭き取って(⑤)、排出口を上に向けて閉鎖しましょう(⑥)。

注意点
ストーマ袋(パウチ)の中は水洗いしないでください。ストーマ袋(パウチ)の破損につながる恐れがあります。また、面板の皮膚保護剤に水が付着すると、ふやけてはがれやすくなってしまいます。
尿路系ストーマでカテーテル(ステント)が入っている方は、カテーテルは、逆流防止弁を超えて下方向に留置しますと、感染症の原因になるため、逆流防止弁より上にあるように注意しましょう(下写真参照)。

装具交換
使っている装具をはがし、新しい装具へ交換することを「装具交換」と言います。ストーマ袋の汚れ、面板、皮膚の状況に応じて行い、基本のサイクルは毎日~数日に1回です。
交換時の確認事項
装具交換は交換のみでなく、皮膚トラブルを防ぐために、腹壁の状態もチェックしてください。面板をはがした後、ストーマ近接部に皮膚トラブル(排泄物の付着や装具の刺激、汗によるかぶれなど)が発生していないか確認しましょう。皮膚トラブルがある場合、適切な処置やケアをすることで、面板の剥がれや漏れを予防することができます。
ここでは、具体的な排出方法の説明と、排出後に気をつけていただきたいポイントについてお伝えします。
装具交換の手順
❶ 面板をはがす
❷ 皮膚の状態を確認する
❸ 皮膚保護剤の状態を確認する
❹ ストーマ周囲の皮膚を洗う
❺ストーマのサイズを測る
❻ 面板をカットする
❼ ストーマ袋(パウチ)を閉鎖する
❽ 面板を貼る
➒二品系の場合、ストーマ袋(パウチ)を取り付ける
装具交換に必要なものを準備
装具交換に必要なものを準備しましょう。
ストーマ装具、ガーゼまたは柔らかい布、ペーパータオルなど、トイレットペーパー/ティッシュ、ゴミ袋、ぬるま湯、洗面器、ストーマのサイズを計測するもの(ゲージ/ノギス/定規など)、せっけん/清拭・洗浄料、はくり剤、(必要に応じて)消臭潤滑剤、はさみ※、油性ペンまたはボールペン※(※面板がフリーカットの場合のみ)

❶ 面板をはがす
面板の辺縁に「はくり剤」を使い少しはがします。片手で面板の近くを押さえながら、上から下へとはがしていきます。面板と皮膚の間に「はくり剤」をしっかり浸透させながらはがしていきます。

❷ 皮膚保護剤の状態を確認する
面板の裏面の皮膚保護剤の溶け具合(膨らみ具合)を確認します。面板の膨潤(膨らみ)、溶解(溶け)が1cm程度に均等な場合、漏れはないと考えられますが、膨潤(ふくらみ)または溶解(溶け)が均一でない場合、漏れが発生している可能性がありますので、ストーマ外来や専門の看護師に相談し、装具変更やアクセサリーの併用の検討をします。また、膨潤(膨らみ)または溶解(溶け)がいつも以上に進んでいる場合は、交換を早めることをおすすめします。

❸ ストーマ周囲の皮膚を洗う
ストーマ付近、ストーマに付着した排泄物はティッシュなどでやさしくつまみ取ります。
次にせっけんや洗浄剤をよく泡立て、ゴシゴシとこすらずにやさしく洗います。(図1)
消化器系ストーマの場合は、ストーマから離れた部分からストーマ近接物に向かって洗います。尿路系ストーマの場合は、ストーマ近接部から外側に向かって洗います。(図2)

❹ ストーマのサイズを測る
ノギスやゲージを使い、ストーマのサイズ(たて、よこ)を測ります。
ストーマの高さは、排泄口までの高さを測ります。ストーマのサイズは変化するので、漏れなどの予防のため、定期的に計測することが望ましいです。


❺ 面板をカットする
フリーカットの面板の場合、自分のストーマにあったサイズにカットすることが必要です。計測したサイズに合わせて、ペンで面板のたてとよこの各2か所に印を付け(①②)、ストーマの形となるように4か所をつなげます(③)。装具をまわしながら渦巻きのようにカットします(④)。
ポイント
ストーマより1~2mm程度大き目にカットしましょう。

❻ ストーマ袋(パウチ)を閉鎖する
ストーマ袋(パウチ)を装着する前に、排出口を閉鎖しましょう。
❼ 面板を貼る
お腹のしわを伸ばしながら面板を貼付します。その後ストーマ近接部をしっかり密着させます。ご自分で貼付する場合は、椅子に浅く腰掛け、背もたれなどに寄りかかり腹壁を伸ばしお腹を突き出した姿勢で貼ります。
介助者が貼付する場合は、前述の体勢で、両肘を持ち上げた状態て貼付するとよいでしょう。貼る際には、ストーマ近接部をしっかり密着させ、その後外に向かって面板を貼り付けます。面板は体温になじむと密着がよくなるので、貼付したあとは、1分ほど、手のひらで面板全体をまんべんなく押さえながら密着させます。

❽ 二品系の場合、ストーマ袋(パウチ)を取り付ける
面板とストーマ袋(パウチ)に丸い嵌合部のリングがついています。それぞれのリングを合わせて、まず1か所指で押してパチッとかみ合わせます(①)。その後全周をかみ合わせて行きます(②)。かみ合わせ終わったら、ストーマ袋(パウチ)を軽く引っぱり、きちんとくっついているか確認します(③)。

装着時の工夫・注意点
ストーマ袋(パウチ)の設置する向き
介護者がストーマ袋(パウチ)からの排出のケアを行う場合や、臥位(横になった体勢)での時間が長い場合、排出口の向きがやや外側の向きなるように装着するとケアがしやすいです。

注意点
気温により面板の状態が変わります。
汗をかくと面板の粘着が弱まりやすくなり、装着期間が短くなるので、早めに交換しましょう。特に夏は汗をかきやすいので注意しましょう。
冬は低温で面板が冷えることにより、貼りつきが悪くなります。
面板を貼る前に、手のひらや脇の下などで面板を温めてから貼り付けましょう。
装具の破棄
ストーマ袋(パウチ)内の排泄物はすべてトイレに排出してから、破棄します。空になったストーマ袋(パウチ)はお住まいの自治体のごみ処理方法に合わせて破棄してください。見えないように新聞紙などに包んだり、排泄物や臭いが漏れないよう、ビニール袋に入れて固く口を縛っておくとよいでしょう。
装具の保管
装具は必ず使用期限内のものを使用しましょう。
使用期限は、製品が入っていた箱の側面などに記載があります。また面板に使用されている皮膚保護剤は高温多湿、低温乾燥が苦手です。年間を通じて15~25度程度の安定した気温下で、平らにして保管しましょう。
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